こんにちは、Q太郎です。
昨今の中国景気の弱さ、そして世界の経済をけん引してきた米国経済に現れだした綻びにより、ベトナム株はこの先どうなるのかと不安を抱いている方が多いと思います。
本記事では、難しい外部環境に影響をされるベトナム経済において、ベトナム株の数ヶ月先の未来を見通すのに便利な指数をご紹介します。
それはフィラデルフィアSOX指数です。
目 次
マクロからミクロへの視点が投資においては重要
経済は木を見て森を見ずは危険、まずは森を見てから木を見に行こう。
まずは大きな経済のトレンドをつかむことが大切なんじゃ
その後で各セクターの動き、そして各社の業績の確認になりますね。
2023年は金融引き締めの逆戻しにより、7月ごろからの金融緩和と通貨安政策でベトナム通貨ドンはドルに対しかなり割安となりました。
出所:TradingView
7月からの通貨切り下げ効果により、VNインデックスは上値天井の1100VNDを超えて上昇基調に入りました。
しかし通貨安による輸出回復期待から1100VNDを超えて上昇基調に入ると思われたVNインデックスチャートでしたが相場の転換を示すダブルトップが現れ、株価は力なく1100VNDまで下落してしまいました。
出所:SBI証券
このように、現在のベトナム株を取り巻く環境は、利下げや通貨安政策だけではどうにもならない力が作用していることが伺えます。
ベトナム経済へ最も影響力を持つスマホやパソコンの回復が遠い
ベトナム経済は材料を輸入し、加工して輸出する加工貿易です、その主なアイテムがスマホとパソコンですが、コロナ禍の巣ごもりが需要の先食いになり、回復が遅れております。
それは2022年にベトナムの総輸出の8.9%を占めるサムスン電子の業績低迷からもうかがえます。
出所:YONHAP NEWS
半導体は産業のコメ、スマホやパソコンの回復に先がけて動きだす
それではスマホやパソコンはいつごろ回復するのか、スマホやパソコンの回復の先行指数となるのが、産業のコメと呼ばれる半導体です。
ではその半導体の大きなトレンドをつかむには半導体の動き示す指数、フィラデルフィア半導体SOX指数がベンチマークとなります。
風が吹けば桶屋が儲かる式に変化の先を予測するんじゃ。
風が吹いて、猫の数が減るぐらいまで先読みできたら上出来ですね。
つまり、SOX指数が先行指数となり、スマホ、パソコンの売れ行きがその後の遅行指数となります。
それはベトナム経済の輸出の大きな割合を占める為、VNインデックス指数もSOX指数に対し遅行して動きだします。
2つの指数の相関性を見逃すな
フィラデルフィアSOX指数の先行性に着目
前述しましたフィラデルフィラSOX指数は先行指数です、それはVNインデックスに数ヶ月先駆けて動きます。
出所:Hartpark
SOX指数は2022年1月にピークをつけて、その後急激に下落しております。
VNインデックスはSOX指数に数ヶ月遅れて動きだす遅行性が特徴
SOX指数が2022年1月にピークをつけておりますが、VNインデックスはそれよりも数ヶ月ピークが続き、その後急落しております、これはSOX指数に対する遅行性を示唆しております。
出所:SBI証券
この傾向を把握していれば、SOX指数が上振れた後数ヶ月後にVNインデックスが上昇することが予想できます。
自分独自の情報ソースを持とう
ネット上の情報だけではなく、自分独自の情報ソースを持つことも大切です。
私は仕事がら半導体製造装置メーカーとの取引があり、半導体の動きについてリアルな情報を得ております。
半導体製造装置メーカーからリアルな話を聞く
先日半導体製造装置メーカーを訪ねたところ、社長から半導体の回復が予想以上に遅れていることを耳にしました。
ネットの情報だけではなく、時にリアルな情報も重要なんですね。
夏に面談をした際は、秋ごろの回復と聞いていたのが、今回の面談では早くて年末か、もっと遅いのではとの浮かない表情でした。
はっきりした理由は誰にもわかりませんが、以下のような複数の要因が背景にあるようです。
- コロナで先食いしたスマホ、パソコンの需要回復の弱さ。
- 世界第二の経済大国中国の景気悪化。
- コロナで目づまりした流通在庫の調整がまだ完全に終了していない。
- 安全保障の関係により、中国のような権威主義国へ特定の半導体の販売が制限されている。
スマホの買い替えサイクルは3年
やはり半導体関連の方が最も気にしているのは、とりわけスマホの販売動向でした。
ではスマホの販売動向を考える上で、買い替えサイクルは重要な情報になります。
経済は必ず変化をするもの、サイクルを見逃すな。
現在のスマホの買い替えサイクルは約30%の利用者が3年と答えており、最多になっております。
出所:PRTIMES
この3年周期の買い替えサイクルを元に、前回のピークを調べるといつ頃次の買い替えサイクルが始まるかが予測できます。
次のスマホ買い替えサイクルは2024年、その頃がベトナム株も夜明け
次のグラフはスマホの世界のスマホ販売のピークが2021年だったことを表しており、それは2023年がボトムで2024年から上向くと予想されます。
出所:Garbagenews
半導体はそれに先駆けて動くことが予想されると、2023年末から2024年前半には動きだし、ベトナム株は来年春ごろが夜明けではないかと予想しております。
まとめ
- ベトナム株VNインデックス指数はフィラデルフィアSOX指数に遅行して動く。
- ベトナム経済への影響が大きいスマホの世界販売回復は2024年。
- SOX指数はスマホ販売に先駆けて動き出す為、2023年末から2024年前半動きだす公算。
- SOX指数に遅行するベトナム株は2024年春ごろから回復すると予想されます。
既に予想を裏付けるニュースが報道されつつあります。
出所:REUTERS
11月1日のREUTERSの記事では、AMDの業績回復はPC販売の回復を示唆していることを報じております。
出所:テレ東BIZ
この記事では米半導体大手、クアルコムの10‐12月の業績見通しについて、来年のスマホ市場回復を背景に強気な見通しであることが報じられております。
夜も夜明け前が最も暗いと言われます、ベトナム株も今後数ヶ月が夜明け前の最も暗い時期なのかもしれません、夜明けはもうすぐそこまできております。
皆さんの笑顔と資産が溢れることを祈っております。
対酒当歌人生幾何。
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