こんにちは、Q太郎です。
世界中で吹き荒れるインフレの嵐からはどの国も逃れることはできません。
長らくデフレ時代が続いている日本ですら、パンやバターの値上げが連日報じられております。
ベトナム株投資をしている投資家にとっても、インフレは懸念材料の一つだと思います。
しかし結論から申しあげますと、ベトナムのインフレは非常に健全なレベルだと考えられます。
目 次
新興国に吹き荒れる通貨下落とインフレの嵐
世界中の国々を巻き込むインフレの嵐、特に新興国においては米国の長期金利の上昇を背景に通貨の下落と物価上昇の2つの危機の足音が近づいております。
次のチャートはブラジル通貨レアルとドルののチャートになります。
出展:Investing.com
ドルに対するブラジル通貨レアルの下落がとまりません、それは輸入物価を押し上げてインフレを一層加速させます。
ブラジル、10月のインフレ率10%超 5年9カ月ぶり水準
【サンパウロ=宮本英威】ブラジル地理統計院が10日発表した2021年10月の消費者物価指数IPCAは、前年同月比で10.67%上昇した。16年1月以来、5年9カ月ぶりの高い上昇率となった。干ばつや通貨安の影響でインフレは加速している。
前月比での上昇率は1.25%と、10月としては02年(1.31%)以来の高い水準となった。食料品ではトマトや鶏肉が1年前から約3割上昇し、ジャガイモ(24%)やチーズ(15%)も上がっている。食用肉に手が出ず、ペット用の肉を食用に購入する庶民が増えているとの報道もある。
出展:日本経済新聞
ブラジル人は弱い通貨で輸入物価の暴騰に苦しみ、一方米国人でブラジルの株や債券、コモディティーなどに投資をしていた人達からは悲鳴が聞こえてきそうです。
以外に低いベトナムのCPI
ベトナムのCPI(消費者物価指数)が比較的低く抑えられていることがいつも有益な情報を提供されているVIETKABUサイトで報じられております。
出展:VIETKABU
このCPIの低さはドルに対してベトナム通貨ドンを瞬間的には安くなる時期はあるものの、着実に切り上げていることが奏功している結果だと推測されます。
出展:Investing.com
外銀のインフレ予測、それでも見通しは安定
いつも有益な情報を提供しているVIETKABUでは香港上海銀行(HSBC)によるベトナムのインフレ加速が報じられております。
HSBC、ベトナムの22年インフレ上昇率予想を+3%に上方修正
香港上海銀行(HBSC)は先般発表したレポートの中で、2022年におけるベトナムのインフレ上昇率予想を+2.7%から+3.0%に上方修正した。
HSBCは「このインフレ上昇率はベトナム国家銀行(中央銀行)の予想値4%を下回っており、中央銀行にとって大きな脅威とはならない」と評価した。
同行によると、引き続き燃料価格が高騰しており、1月は前年同月比+1.9%上昇した。また、小売売上高も同+1.3%増加した。一方、食糧価格は安定している。
出展:VIETKABU
ベトナムのインフレは健全なレベル
私はベトナムのインフレが仮にベトナム国家銀行予測の4%台だとしても、健全なレベルだと考えます。
理由は次の通りです。
2022年度先進国とベトナムのGDP成長率とインフレ率の比較です。
- 先進国GDP成長率は概ね3~4%に対し目標インフレ率2%
- ベトナム国会目標GDP成長率6~6.5%に対し予想インフレ率4%
先進各国が目標インフレ率を2%に掲げておきながら、足元の高いインフレ率に苦しんでいる状況です。
次の記事は先進国の中でもとりわけアメリカがインフレに苦しむ現状が伝えられております。
米12月消費者物価指数 前年同月比7.0%上昇 約39年ぶり高水準
アメリカの先月の消費者物価指数は前の年の同じ月と比べて7.0%上昇し、およそ39年ぶりの記録的な水準となりました。インフレの抑制を優先して中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会が早ければ3月に利上げに踏み切るという観測が出ていて、その判断が焦点になっています。
一方前述したHBSCのリポートで3%のインフレ予想は、GDP成長率と比較して考えれば相対的に非常に健全なレベルだと考えることが可能です。
また足元のCPIの低さがインフレがベトナム経済にとってリスクになっていないことの証左です。
まとめ
- 世界中で吹き荒れるインフレの嵐からベトナムも逃れることはできない。
- 足元のCPIは他国と比べても低く抑えられている
- CPIの低さは為替の切り上げによる、輸入物価抑制が奏功
- 相対的にベトナムのインフレは健全なレベル
皆さんの資産と笑顔が溢れることを祈っております。
それではまた、対酒当歌人生幾何。
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