こんにちは、Q太郎です。
シリコンバレーバンクに始まり、3つの銀行倒産がアメリカには景気後退の足音が近づいていることを示唆しております、一方頼みの中国の経済回復も力不足です。
2大経済大国が力不足では外需には頼れませんので、ベトナム政府の経済政策は公共投資に頼るしかありません。
外需がダメなら、内需があるさ今のベトナムはその実力があります。
この記事では世界経済に不況の影が忍びよる状況でも、投資できる可能性があるセクターについて解説していきます。
目 次
今年はアメリカ、中国の2大経済大国は頼りにならない。
中国に代わる製造拠点としてアメリカへの輸出を伸ばし、2大経済大国に依存してきたベトナムは、今年はその大国からの追い風は期待できない公算が大きいです。
アメリカの銀行破綻が示唆する不景気の足音
今年に入り既に3行の銀行が倒産しております。
- シリコンバレーバンク
- シグネチャーバンク
- ファーストリパブリックバンク
アメリカでは2022年3月から2年国債利回りが、10年国債利回りを上回る、逆イールド(利回り)が続いております。
これでは短期で個人から資金を集め、長期で企業に貸し出して利ザヤを稼ぐ銀行の利ザヤビジネスは成り立ちません。
それがジワジワ金融機関を苦しめだしていることが伺えます。
リーマンブラザーズの破綻が懐かしく感じますね。
家賃の下落が示す景気の先行き
実態経済が悪化してもなかなか下がりにくい家賃がついに下落に転じました、これは不況が目の前に近づいていることを示唆しております。
出所:TRADING ECONOMICS
中国の不動産の回復が遅れている。
出所:日本経済新聞
不動産は景気刺激策の本命なんじゃが、まだまだ回復は遠いのう。
債務膨張の失敗を繰り返せない過去の経験。
中国はかつて世界経済の危機といえる2008年のリーマンショック時に、景気対策を爆増させて世界景気を支えました。
しかしそれがきっかけとなり、債務膨張は右肩上がりに増加していったことを次の記事は報じております。
出所:三井信託銀行
中国は過去の失敗から学んでいるはずです、今年近づいている景気後退局面の為に同じ過ちを犯すとは思えません。
無い袖は振れない中国
世界の工場と呼ばれた中国も2015年のチャイナショック以降その立場が薄れつつあることが、外貨準備高の変化から読み取れます。
出所:CEIC Flex
外貨準備高とは輸出で稼いだ流動性の高い外貨建て(外国債券、外貨建定期預金、金等)の残高のことです。
2015年のチャイナショック以降外貨準備高は低迷しており、現在は2008年のリーマンショック時のような潤沢な資金がないのです。
中国もついに人口減少時代に突入
2022年は中国にとって新たな時代の幕開けとなりました、それは人口減少時代の到来です。
出所:NHK
出生率の低下は人口構成を急速に変化させていくことが、以下のグラフから読み取ることができます。
出所:RIETI
2020年以降急速な勢いで老年人口が増えていくことが示唆されております。
このように中国には現在対処しなければならない問題が山積しており、世界経済のを支える為に行動する余裕はないのが実情です。
ベトナムも民需は力不足
アメリカ、中国の2大経済大国が不振ならば、加工貿易立国のベトナムも影響を免れません。
輸出入は如実に減少
出所:REUTERS
自動車の販売が振るわないベトナム
次のグラフは産業で最も裾野が広い自動車のベトナムでの販売数を表しております。
今年に入り前年比で+になった月は2月だけです。
出所:MARKLINES
歴史を振り返ると公共投資はどんな国でも最大の経済刺激策
アメリカのニューディール政策
歴史を振り返ると政府による公共投資による景気刺激策は珍しいことではありません、その最も代表的なものが、アメリカのニューディール政策です。
世界恐慌の1933年以降、フランクリン ルーズベルト大統領によりダムや道路のような公共事業に投資することで、失業者に雇用機会を与えた政策です。
彼の名言に「 私達が恐れるべきものは恐怖そのもの 」ってあったね。
投資でも恐怖で投げ売りする人は忘れていけない言葉なんじゃ。
公共投資は爆上げ銘柄を生み出す
師である邱永漢先生はお酒がはいるとよく日本の高度経済成長期に佐藤工業というトンネルを掘る会社を見出いし、株価が何十倍にも爆上げしたことを自慢しておりました。
その株を利確して得たお金で建てたビルが渋谷の「 マネービル 」であることを何度も聞かせれました。
当時の渋谷はまだ何もない地味な町だったんじゃ。
これは山が多い日本の地形を考慮すれば、どんな銘柄に注目すべきか、その国の特性を考慮して銘柄を選定すべきとの示唆でした.
ベトナムでも今年は公共投資が加速する公算が大きい。
英語の情報を眺めていたら興味深い記事に目が留まりました。
出所:VIETNAM+
記事のヘッドラインに「 2023年は公共投資支出が加速 」とありますので、今年ベトナムでは公共投資関連銘柄に目が離せない年になります。
今年公共投資の追い風に乗るオススメの銘柄はどれ?
公共投資銘柄といっても多岐にわたります、建設工事やその工事に使用される材料、そのインフラを運営する会社などがあります。
そこで公共投資に関連しそうな銘柄を調べてみました。
すると業績悪化が多かった2022年の決算にもかかわらず、業績を伸長させた銘柄が散見され、株価も既に回復軌道に入りつつあること分かりました。
コード | 業種 | 増収率(%) | 増益率(%) | EPS伸長率(%) | 株価直近底値からの反発率(%) | SBI証券扱い有無 |
---|---|---|---|---|---|---|
CII ホーチミンインフラ投資 | 建設 | 180 | 大幅黒字化 | 大幅黒字化 | 26 | 〇 |
CTI クオントォアンイディコ投資 | 建設資材メーカー | 18 | 大幅黒字化 | 大幅黒字化 | 11 | 〇 |
CTR ベトテル建設 | 通信インフラ建設 | 26 | 18 | ▲7 | 68 | × |
DPG ダットフォングループ | 交通、水力発電インフラ投資 | 30 | 12 | ▲7 | 70 | × |
HTI IDICOインフラ開発投資 | 都市、工業団地インフラ開発 | 27 | 53 | 53 | 16 | 〇 |
LCG CII道路橋梁 | 交通、照明インフラ | 49 | 40 | 40 | 33 | 〇 |
MDG ミエンドン建設投資 | 建設工事 | 71 | 38 | 35 | 4 | × |
VCG ビナコネックス | 土木、運輸、建設 | 47 | 98 | 88 | 62 | 〇 |
VNE ベトナム電気建設 | 電気設備 | 7 | 82 | 82 | 16 | 〇 |
HUT タスコ | 土木、工業、輸送インフラ | 23 | 135 | 82 | 52 | 〇 |
LHC ラムドン投資灌漑設備 | 灌漑と水力発電設備投資 | 34 | 24 | ▲11 | 11 | × |
MSC BDCベトナムJSC | 土木、工業、灌漑設備建設 | 0 | 109 | 108 | 57 | × |
SD9 ソンダ9 | 灌漑、水力発電設備建設 | 0 | 97 | 97 | 28 | 〇 |
SJE ソンダ11 | 送電線、変電所建設 | 28 | 24 | 24 | 18 | × |
TA9 タイアン96設備建設 | 土木工事 | 80 | 4 | 4 | 2 | × |
このように一覧で俯瞰すると売上、利益が伸長し、EPSも大幅に伸びているのに株価が出遅れている銘柄が散見されます。
このような銘柄が今年後半にはどのような株価をつけるようになるのか目が離せません。
私も今月公共投資関連銘柄を追加購入しました、その銘柄は以下の銘柄です。
PLC:ペトロリメックスペトロケミカル
出所:SBI証券
株価は既に直近高値を軽く超えて、次は2022年の年初の高値を超えるかどうかの挑戦に入ります。
この銘柄の2022年の業績は増収減益の為、前述の表には組み入れておりません。
一方で株価は堅調な回復動きを示しており、過去の業績からだけでは株価の予想はできないのです。
所謂、バックミラーでは未来は見えないってやつですね。
この銘柄は過去に記事で紹介しておりますので、興味のある方はご参考にしてください。
まとめ
2大経済大国であるアメリカには不況の足音が近づいており、頼みの中国もゼロコロナからの回復に力強さがありません。
当然加工貿易立国のベトナムはその煽りを受けて、輸出も輸入も急減速です。
そんな時は内需を刺激する公共投資銘柄がオススメです。
ベトナムにはまだまだ整備しなけれならないインフラがたくさんあるんじゃ。
2022年の業績が冴えず、株価が今だ低迷している銘柄が多い中でこのセクターには既に株価の動意づきだしているものが散見されます、そんな銘柄に着目してはいかがでしょうか?
皆さんの資産と笑顔が溢れることを祈っております。
それではまた、対酒当歌人生幾何。
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