こんにちは、Q太郎です。
毎年この時期は、その年の陽にあたるセクターについて考える時期です。
昨年はインフレによる原材料高騰の為、原材料を使用しない証券会社セクターが暴騰すると予測し、10バガー銘柄を当てることができました。( 銘柄:APS )
時代の変化を読み解くことが、暴騰銘柄を当てるコツですね。
私の予想が当たるかどうかは分かりませんが、まだ今年のベトナム株投資の方針を決めかねている方にとって参考になれば幸いです。
2022年に注目しているセクター、それは工業団地セクターです。
目 次
その背景にあるのは中国政府の「 共同富裕 」政策
数年前から工業団地セクターを追い続けておりますが、今年はこのセクターに追い風吹くのではと予想しております。
理由は中国政府の政策「 共同富裕 」にあります。
共同富裕とは格差是正のことです。
中国では鄧小平主席が「 先富論 」で経済発展を優先させたが、同時に格差も広がったんじゃ。
実際、中国共産党はスローガンで「貧富の格差を是正し、すべての人が豊かになることを目指す」としています。
ではこの政策による影響を「 風が吹けば桶屋が儲かる式 」に考えると以下の通りです。
- 中国は経済成長で人々の不満を抑え込んできた。
- 中国PMIは50割れを起こす程、現在の経済状況は低迷
- コロナ禍で見送っていた賃上げが多く地域で再開
- 3億人の農民工の不満解消は政権の維持には必須
- 人件費増により別の製造拠点を模索 → ベトナム工業団地最有力
昨年は中国政府の脱炭素に向けた火力発電の抑制による電力不足で多くの製造業が稼働低下に陥いりました。
今年はこの「 共同富裕 」政策により多くの製造業が人件費高騰の煽りを受ける公算です。
ベトナムがアジアの製造拠点として中国にとって代わる理由
ベトナムが中国に代わる製造拠点として最有力な4点にについて纏めております。
- 高い経済成長率
- 右肩上がりの人口増加
- 米中貿易摩擦で新たな製造拠点として台頭
- 堅調に成長しているベトナム株式市場
詳しくは過去の記事で解説させていただいております。
次のグラフは少し古いデータですが、アジア各国の最低賃金の推移を現したグラフです。
2021年に入り最低賃金上昇は政策として実行され、更に加速度を増していくでしょう。
中国、最低賃金引き上げラッシュ 「共同富裕」を意識( 2021年12月2日 )
【広州=川上尚志】中国で最低賃金を引き上げる動きが相次いでいる。経済規模が最大の広東省をはじめ、2021年に入り20の省・直轄市・自治区が実施した。習近平(シー・ジンピン)指導部が掲げる「共同富裕(共に豊かになる)」のもと労働者の不満を抑える狙いだが、人件費の上昇は工場の国外移転を加速させる可能性もある。
出典:日本経済新聞
ベトナムへの工場移転、死角はないのか?
新興国にとって最大のリスク、それは資金の流出です。
IMF(国際通貨基金)は米国の金融政策変更に伴い、新興国からの資金流出を懸念
新興国は米利上げ加速に備えを、資本流出や通貨安の恐れ=IMF
[ワシントン 10日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)は10日公表のブログで、新興国は米連邦準備理事会(FRB)の利上げへの備えをしなければならないとし、FRBが予想より急ピッチで利上げすれば金融市場が混乱し、資本流出や通貨下落を引き起こす可能性があると警告した。
出典:REUTERS
この米国の利上げは、新興国から資金を引き揚げて金利の高い米国へ資金を引き寄せます。
しかし、ベトナムでは仮に米国へ資金が流出しても経済に混乱が起こらない要因があります。
それは、外貨準備高です。
出典:経済のネタ帳
ベトナムの外貨準備高は急速に積みあがっております。
歴史を振り返れば1997のアジア通貨危機が外国からの資金に依存した成長の為、外資が資金を引き揚げると、タイなどアジアの国々は危機に瀕してしまいました。
他の国の資金に依存した経済発展は砂上の楼閣なのです。
一方ベトナムは加工貿易により外貨を積み上げて、多少外資が流出しても経済に混乱が起きない程、外貨を積み上げつつあります。
これは海外へ投資する上で、絶対的な安心感につながります。
工場移転は既に現れつつある
日本経済新聞に中国からベトナムへの製造拠点の移転を象徴する記事を見つけました。
サムスン、中国PC工場閉鎖 ベトナムへ移管検討( 2020年8月3日 )
【ソウル=細川幸太郎】韓国サムスン電子が中国江蘇省にあるパソコン工場を閉鎖する。8月にも生産を終了し、一部施設をパソコンの研究開発拠点に転換する。人件費高騰などを背景に中国でのパソコン生産から撤退し、ベトナムの既存工場への移管を検討する。
出典:日本経済新聞
製造拠点の分散化を象徴している記事も目にとまりました。
レゴ、ベトナム南部に新工場 1100億円超投資( 2021年12月9日 )
【ハノイ=大西智也】玩具世界大手のレゴグループ(デンマーク)はベトナム南部のビンズオン省に新工場を建設すると発表した。投資額は10億ドル(約1100億円)以上としている。2022年後半に建設を開始し、24年に稼働する。アジア地域の経済成長で中間所得層が厚みを増しており、供給体制を拡大する。
出典:日本経済新聞
レゴ社は既に中国に工場を保有しておりますが、2018年に始まった米中貿易戦争の影響を受けて、製造拠点の分散化を進めております。
これはグローバル企業の製造拠点分散化を象徴したニュースです。
工業団地株 オススメ2銘柄
私は既に工業団地銘柄を仕込んでおります、その中で注目に値する銘柄は以下2銘柄です。
- LHG:ロンハウ工業団地
- KBC:キンバック都市開発
ロンハウは既に購入しております、この銘柄は非常に1案件毎の収益性を重視しており、売上高利益率の高さが光かります、規模よりも案件毎の収益性重視銘柄です。
以下LHGの四半期毎の損益になります。
出典:VIETSTOCK
次のチャートは2022年1月11日の株価です。
株価は上値が重い展開ですが、第4Qの結果次第では上にブレイクすることは遠くない公算です。
KBCは工業団地開発の最大手であり、開発用地も多く抱える会社ですが、まだ購入には至っておりません。
同社は社債発行により資金調達している為、売上と利益が減少した場合に、その利払いが負担となります。
以下はKBCの四半期毎の損益になります。
出典:VIETSTOCK
第三Qは売り上げと利益が減少した為に、赤字に転落してしまいました。
またその資金の調達方法が社債発行に依存している為、社債への政府の対応が変化した場合にリスクを感じます。
キンバックシティーグループ、公募社債発行へ(2021/06/07 14:41 JST更新)
複数の大規模工業団地を運営する工業団地開発大手、キンバックシティーグループ[KBC](Kinh Bac City Development)はこのほど、公募社債発行を発表した。
出典:VIETKABU
中銀、不動産社債への投資リスク抑制を商銀に指示(2019/08/26 19:08 JST更新)
ベトナム国家銀行(中央銀行)はこのほど、国内の商業銀行に対して、不動産会社の発行する社債への投資リスクを抑制するよう要求した。
出典:VIETKABU
2022年1月11日の同社の株価です。
マーケットはその資金調達のリスクを織り込んでいる為、夏以降堅調に株価は右肩上がりです。
まとめ:中国の政策「共同富裕」で工業団地株は注目
以上まとめると、世界の工場と呼ばれた中国の政策転換はベトナム工業団地銘柄には追い風です。
- 中国は「 先富論 」で経済発展優先してきた。
- 結果、経済格差が増大し人々に不満が増加
- 中国の政策「 共同富裕 」で格差是正、富の再分配
- 人件費高騰=原価高騰により、製造メーカーは中国から流出加速
- 人件費の未だ安いベトナムが最有力候補
今年は工業団地銘柄から目が離せません。
皆さんが、資産と笑顔に溢れることを祈っております。
それではまた、対酒当歌人生幾何。
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