KBC : 工業団地開発大手 株価動意づく

KBC

こんにちは、Q太郎です。

今日は工業団地銘柄の中で完全にノーマークだった銘柄についてご紹介いたします。

米中貿易戦争のさ中、したたかに漁夫の利を得るベトナム

師曰く「 お金の流れる川を見つけ、先回りして網を張っておくことが肝要です。お金の流れる川、それはつまりこれから陽の当たる商売です。」

先生は時代の変化の中で、どんな商売に陽があたるのかを注意深く観察することを常々説いていました、お金の流れる川、それは今は小川程度ですが、近い将来大河となるような商売です。

11月20日の日経新聞に台湾の鴻海精密工業がベトナムに新工場を建設し、パソコンに使用する液晶ディスプレーの生産を開始した記事が掲載されておりました。新工場は中国とベトナムの国境近くのベトナム北部クアンニン省に建設されました。

出典:日本経済新聞

このような企業のベトナム進出の背景について、記事の中で以下のような理由が述べられておりました。

  1. RCEPの将来的な発行
  2. 米中対立による脱・中国生産
  3. 中国との地理的に近接
  4. 人件費の安さ

RCEPとは日本語で「 東アジア地域包括的経済連携 」と呼ばれ、ベトナムを含む東南アジア諸国連合に日本、韓国、中国、インド、オーストラリア、ニュージーランドを加えた16ヶ国による広域的な自由貿易協定で、関税の撤廃や規制緩和を目的とした構想です。

前述の記事は、中国から豊富な電子部品の調達し、人件費の安いベトナムで完成品に組み立て、RCEPの関税メリットを生かして中国や東南アジアの大消費地に商品を供給することを意図したものです。

人件費高騰による製造拠点の移転は日本でも同じ現象が過去に発生し、その度に人件費の安い地域や国に生産拠点が移っていきました。中国の人件費高騰により工場の新たな生産拠点としてベトナムがその一番手として大きな流れとなりつつあります。

この生産拠点移転の際に必ず陽が当たる商売が工業団地開発です。先日の記事でLHGロンハウ工業団地についてご紹介させていただきましたが、ここ1ヶ月半程の間に急激に株価が動意づいている銘柄があり調べてみました。

その銘柄はKBCキンバック都市開発です。

出典:SBI証券

11月中旬からまるで眠っていた龍が目を覚ましたように株価が急騰し始めました。

KBCキンバック都市開発とは紅河デルタ地方を中心に全国で13ヶ所の工業団地を開発運営しており、総面積は5,174halに上る工業団地開発の大手です。事業戦略はユニークで、大手メーカーを中心に営業し、誘致がきまればその下請け企業をまとめて誘致する戦略をとっております。

私はこの会社について、6月ごろにその業績について調べた際に非常に興味を覚えました。2019年度の決算は売上高、営業利益共に30%弱の伸び率を達成し、営業利益率については驚愕の43%もありました。

しかし2020年度の業績予想は営業利益で60%弱の下落を見込んでいた為、また過去2017~2019年に大きく業績が伸長したにもかかわらず株価が低迷していた為、ウォッチリストから除外され、いつしか株価をチェックすることもなくなっておりました。

先日、VIETKABUの新着ニュースの中で、キンバック都市開発が10月~12月に多くの工業用地賃借契約を締結したニュースを目にして久しぶりに株価をチェックして前述の暴騰に気が付きました。

出典:VIETKABU

11月中旬は株価約15,000VND前後でしたが、わずか1ヶ月半で46%も値上がりし、昨日は22,000VNDをブレイクアウトしました。この上昇の速さは先日ご紹介しましたLHGロンハウ工業団地に近い速さであり、LHGの株価が7月に動意づくと、わずか1ヶ月半で87%も上昇しまし、5ヶ月後の現在は2倍超まで急騰しております。

2020年の業績予想ではQ3終了時点でLHGは大幅増収増益が予想されている一方、KBCは大幅減収減益予想です。しかしローソク足は上への窓開けと突発的なニュースでよく見られるチャートの動きの為、もう少し上振れが続くことが予想されます。

中国からベトナムへの製造拠点移転の流れは更に大きなトレンドになることを考えると、今の株価の動きは今期の業績は既に織り込み済みで、2021年への明るい展望の証左ではないでしょうか。

それではまた、対酒当歌人生幾何。

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