こんにちは、Q太郎です。
銀行のように産業の隅々まで商売の根を張り巡らせていながら、1年に3倍、4倍と成長する地味だけど株価の値上がりはド派手な銘柄を探しております。
私はそんな株はやはりこの銘柄DHCドンハイベンチェーだと考えております。
目 次
段ボールの用途は裾野が広い、それはビジネスにおけるリスク分散
家電や家具は誰しも豊かになれば真っ先に欲しがるものです、特に経済成長著しい国ではそれが豊かさの象徴であったりします。その物欲の塊を包んでくれるのが、段ボールです。
段ボールの用途の裾野は広く、家具、家電、食品や果物、避難所のベットや間仕切り等、変わったところでは葬儀場の祭壇や棺桶など人々の生活の中で広く取り入れられており、それは業種に偏りがない分だけリスク分散になり、長期の安定した成長に寄与します。
むしろ段ボールで梱包されないものを挙げたほうが早いかもしれません、車と家ぐらいでしょうか?
コモディティーの値上げの影に隠れてこっそり値上げ。
師曰く、「 原料高騰の時代はメーカーはつらいですね、原料が20%も30%も上がったら製品のコストダウンと売値の値上げを同時にすすめなければならないですからね、それに比べたら運賃や梱包材の値上げなんて目立ちにくいところが味噌ですね。」
今年のようにコモディティー価格上昇の時代は、原料高騰分+副資材の高騰を売値に転嫁しなければ、たちまちメーカーは赤字になってしまいます。
その値上げの際に製品価格の値上げは、客先からかなりの抵抗を受けます、一方で運賃や梱包材の値上げは原材料の値上げに比べ、製品価格に占める割合が極僅かの為、あまりやり玉にあがりません。
商品価格の値上げに隠れ、こっそり値上げを進めていけるそれが梱包材メーカーの強みです。
ベトナムの段ボール市場を制するメーカーが東南アジアの市場を制する
先日日本経済新聞に興味深い記事を発見しました。
出典:日本経済新聞
この記事では丸紅が総投資額200億円規模、生産能力は40万トン規模の段ボール原紙の生産をベトナムで開始し、2022年のフル生産を目指していることが報じられておりました。
この記事以外にも、日系メーカーではレンゴーや王子製紙がベトナムへの投資を進めており、ベトナムがアセアン経済圏における段ボール生産のホットスポットになりつつあります。その背景には、次のような要因があります。
- 急拡大するEC市場
- 包材需要が拡大し易い産業の伸長( 携帯電話、電子部品、繊維縫製品等が輸出の5割 )
- 中国に隣接し、タイなどに比べ人件費が安い
特筆したいのが、近年のEC市場の急拡大である。米宅配大手UPSはベトナムの電子商取引市場(EC市場)が2019~2023年までに85%拡大し、東南アジアで2番目のスピードで成長すると予測しております。
ベトナム政府は2016年に「 EC開発計画 」を発表し、2020年までに市場規模を100億ドルまでに引き上げる計画で、実際2017年には66億円まで市場は拡大しております。
これらを背景としてベトナムの製紙業界は足元では需給がひっ迫しつつあります。次のグラフは2017年までに製紙の需給状況を示したグラフになります。
出典:亜州ビジネスASEAN
このグラフが示す通り、製紙市場はメーカーが常に売り手市場であることが理解できます。
そのベトナム市場で段ボールメーカーの雄として市場拡大の波にのり、急成長しているDHCドンハイベンチェーの株価の推移は次の通りです。
出典:SBI証券
私が購入したのが、黄色レ点で示した昨年末です、そのころはまだ60,000VNDに届くかどうかの株価でしたが、直近高値は82,400VNDです。年末より約37.3%の上昇を見せており、その勢いは前述の需給アンバランスのグラフが示す通りです。
段ボール箱は本当にただの紙の箱なのか、黄金を内に秘めた宝箱なのか、日々の株価がそれを教えてくれるでしょう。
それではまた、対酒当歌人生幾何。
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