そろそろ射程距離に入る医薬品株

DCL

こんにちは、Q太郎です。

新興国株投資において不動産株と双璧をなすのが医薬品株です。毎日目を皿のようにして探しておりますが、未だに購入できる銘柄を見つけることができません。但し少しづつ変化も見えつつあります。

師曰く、「 昔から薬九層倍と言う程、医薬品ビジネスは儲かります、医者から処方された薬を薬局で値切っている人を見かけたことはありませんよね。」

薬九層倍とは「 くすりくそばい 」と読み、薬の売値は原価よりもはるかに高い値段の為、暴利をむさぼることの例えの表現です。

私が中国株投資の勉強会「 邱友会 」に参加した際に、隣に座っている公務員の方が、先生が推奨されていた山東羅欣という日本のテルモのような医療器具の会社に投資資金全てを投じたと語っておりました。

その銘柄は先生もいたく入れ込んでおり、遂には大株主に名を連ねる程でした、前述した公務員の方は最終的には当時では珍しい億り人になったと人づてに聞きました。

ベトナム株投資でも医薬品株の中に将来のダイヤの原石を見つけることができるのでしょうか?

まだ十分ではない売上の伸び率と営業利益率

昨年はコロナ禍の影響で病院外来が減少した為、売上を減少させた企業が散見されました。

代表的な医薬品メーカーはDHGハウザン製薬です。同社は日本の大正製薬の子会社で、製薬会社最大手です。同社の2020年の業績は以下の通りです。

出典:VIETSTOCK

2020年の業績は売上が昨年対比-3.6%、営業利益率は22%です。私がイメージする医薬品株の業績は売上の伸び率が+30%以上、営業利益率が40%以上です。過去4年を眺めても、購入するには程遠い内容です。

一方で比較的堅調な結果を残した企業もありました、TRAチャファコ製薬です。同社は漢方薬に強みを持つ大手製薬会社で、2020年の業績は以下の通りです。

出典:VIETSTOCK

2020年の売上は昨年比+11.6% 営業利益率は13.8%です。コロナ禍で同社が堅調な業績を残すことができた理由は以下の通りです。

  • 原材料の9割を国内で調達
  • 販売ルート:流通業者:81%、病院:19%

これは前述したコロナで原料調達が難航し、原料高騰の煽りを受けなかったことと、外来診療で処方される薬の販売依存が少なかったことが要因です。

とは言え同社の業績もまた私がイメージする医薬品銘柄としては十分条件ではありません。

期待を抱ける兆候を示す2銘柄

ではベトナムの医薬品銘柄には期待できるものが全くないのかと言えばそうでもありません、私の注意を引いている銘柄もあります。それはIMPイメックスファームです。この銘柄については昨年12月13日と12月19日の記事でご紹介させていただきました。

同社は売上規模で同国2位の製薬会社です。2020年度の決算は売上こそ若干のマイナスだったものの、利益は手堅い結果を残しました。

出典:VIETSTOCK
  • Net revenue : 売上
  • Gross profit:粗利益(売上ー原価)
  • Operating profit:営業利益(売上-原価ー販売費ー一般管理費)

売上は-2.35%ですが、営業利益は+29.8%増加しております。

私が取り上げた12月19日直近の株価約55,800VNDからどのように推移しているかを眺めると以下のようになります。( 黄色レ点が12月19日付近 )

出典:SBI証券

12月19日からわずか3ヶ月で株価55,800VNDから現在は73,000VNDの+30.8%と、株価は大きく上昇しております。また同社は今年の利益目標の設定を過去最高益を見込んでいるとのことです。このペースで推移すれば、ダブルバガーは手堅い公算です。

そしてもう1銘柄は医療用カプセルを生産しているベトナム唯一の企業DCLクーロン薬品です。

2020年度の業績は以下の通りです、売上昨年比-10.7%、営業利益-17.7%と大きく減少しております。( 黄色線参照 )

2020年の業績は厳しい結果となりましたが、同社の未来について吉報となる情報を発見いたしました。

出典:SBI証券

この記事では以下の内容が報じられておりました。

  • ヨーロッパの基準を満たす医療機器製造工場を着工
  • 注射針、注射器、輸液ライン、静脈穿刺針などの医療機器を製造
  • 国内販売だけでなく、海外にも輸出
  • 2022年1~3月期に同工場稼働
  • 2021年業績目標は、売上高前年比+50%の9800億VND(約46億円)、税引き前利益同2.2倍の1640億VND(約7.7億円)と大幅増収増益の見通し。

前述の2021年の業績目標について非常に興味を抱きました、理由はこの銘柄は株価が極めて業績との連動性が高い銘柄だからです。

次のチャートは2016年末までの過去5年の株価の推移を示した週足チャートになります。

出典:SBI証券

過去5年間の税引き前利益は以下の通りです。( 単位:百万VND )

  • 2016年:113,068( 緑線 )
  • 2017年: 98,253( 赤線 )
  • 2018年: 20,028( 赤線 )
  • 2019年:104,733( 緑線 )
  • 2020年: 85,301( 赤線 )

業績との連動性が高い為、2020年最終の株価をいくらに設定するかによって、ある程度2021年度の高値の予測可能です。

出典:SBI証券

仮に2020年12月の急騰から調整後の2021年1月あたりの25,000VNDを2020年の最終基準株価と設定いたします。税引き前利益が昨年比2.2倍の為、25,000×2.2倍=55,000VNDが2021年の最終株価予想になります。

但し過去2回の株価上昇局面2014年、2019年でそれぞれ1回づつ調整局面を乗り越えて最高値に到達しております、1月19日から始まった調整局面から回復しつつも上にブレイクするか、それとも更なる調整から下落するのか判断が分かれるところです。

出典:SBI証券

このような時期に買いのタイミングを計るには、やはりローソク足分析が有効です。

3月に入り、3回の大陽線が現れました、大陽線の後の下落幅は徐々に小さくなっております、これは株価上昇マグマが遠くない将来に爆発することを示唆しているのかもしれません。

それではまた、対酒当歌人生幾何。

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