こんにちはQ太郎です。
7月6日のベトナムの株式市場は後場から終盤にかけて大幅に暴落しました。
出典:VIETKABU
師曰く、「 株価の暴落局面は、特に高値の優良銘柄を手にいれるまたとないチャンスです、なぜなら高い株程よく上がるのが株式投資の定説だからです。」
目 次
狼狽売りの背景は何か?
5月31日に日本経済新聞に次ぎの記事が掲載されておりました。
出典:日本経済新聞
この記事では米国から資金が新興国に流入していることが報じられておりました、この記事の記憶があった為、今回のベトナム株の暴落は海外資金の流出が原因だと思っておりました。
但し本当にそれが原因なのか、自分で調べてみると意外な結果が分かりました。
次の表はベトナムホーチミン証券市場とハノイ証券市場の1日あたりの海外投資家が出している、売り注文数と買い注文数、そしてその金額になります。
ホーチミン証券市場
出典:Stockbis
ハノイ証券市場
出典:Stockbis
暴落当日7月6日のハノイ証券市場の外国人投資家の(買いー売り)数と(買いー売り)金額がマイナス、つまり売り越しになっておりますが、ホーチミン証券市場では、(買いー売り)金額は微増の買い越しとなっております。
またホーチミン証券取引所では今年6月21日に(買いー売り)数も(買いー売り)金額も大幅にマイナスになって海外資金の流出になっておりますが、株式市場には大きな下落は起きておりませんでした。
次の表は1日当たりの総取引金額とその内外国人投資家の取引金額を示した表になります。
2021年7月9日の取引金額
出典:Stockbis
このように、総取引金額に占める外国人投資家の割合はそれ程多くないことが分かります。
- ホーチミン証券取引所:約10%前後
- ハノイ証券取引所 :約2%前後
従って7月6日の株価暴落は、外国人投資家の売り越しによるものではないと考えます。
では何が影響したのか、ここからは推測でしかありませんが、以下の3つの要因が影響したのではと考えます。
- コロナウィルス感染再拡大による経済への悲観予想
- 暴落前日7月5日にベトナムPMI指数の低下のニュースが流れた。
- 約半年毎にやってくる上昇相場の調整の動き( ベトナム人投資家は半年前後で利確傾向 )
出典:VIETJO
現在ホーチミンではコロナウィルス感染拡大第4波が拡大している為、9日午前0時から市内全域に最も規制が厳しい首相指示、第16号/CT-TTgに沿った社会的隔離措置が15日間にわたり適用されており、人々の間には経済への悲観的な見方がひろがりつつありました。
そして、そのような人々の悲観論を裏付けるように、経済の重要な指標であるPMI(製造業購買担当者指数)が発表され経済活動の下落トレンドが確信となり、投資家はリスクオフの傾向に一気に傾いたのではと推測致します。
もう1点気になる点として、前回の暴落が2021年1月25日、前々回が7月20日です、約半年前後で調整局面を迎えており、2度あることは3度あると言われるように、来年1月辺りに調整局面を迎えるならば、それはベトナム株式市場のアノマリーになると思います。
アノマリーとは現代ポートフォリオ理論や相場に関する理論の枠組みでは説明することができないものの、経験的に観測できるマーケットの規則性のことです。
暴落翌日の株価に注目
暴落翌日の株価こそ、その銘柄が投資家からどのような視線を向けられているかを表すものはありません、従って暴落はその銘柄を購入したいと日頃考えてる投資家にとって絶好の買い場になります、つまり翌日の株価が上がるのか、下がるのか、それはその銘柄に対する期待値を示唆するものです。
私はSBI証券で取扱いのあるベトナム株全320銘柄の株価を確認しました、その内暴落の翌日7月7日翌日比でプラスの株価をつけたのは、全320銘柄中87銘柄でした。
その87銘柄の内、暴落当日7月6日の高値以上に戻した株は次の銘柄になります。
- DHC ドンハイベンチェー
- GLT グローバル電気技術
- LHG ロンハウ
- MSM マサングループ
- NTP ティエンフォンプラスチック
- PDR ファットダット不動産
- PNJ フューニュアンジュエリー
- SGT サイゴンテレコム技術
- SHN ハニック
- VJC ベトジェットエアー
- VNM ビナミルク
- VRE ビンコムリテール
の計12銘柄になります。
この12銘柄の株価の回復の速さこそ、投資家からの期待値が高いことを示す証左です、このような銘柄の第二Qの好業績の裏付けがとれることで、期待値×好業績=爆上げの方程式が現実化するでしょう。
調査が薄いセクターからも掘り出し銘柄を見つける
私はある程度セクターを絞って銘柄分析をしますので、どうしても興味の薄いセクターについては、調査は手薄になりがちです、しかし今回のようなセクターに関係なく、調査をすることで普段あまり馴染みの少ないセクターから新たな発見があります。
- BMI バオミン保険
- DPR ドンフーゴム
- MSN マサングループ
- PNJ フューニュアンジュエリー
BMI バオミン保険は暴落翌日の株価回復こそ大きくありませんでしたが、その後の株価の動きが興味深い為、ウォッチリストに追加したい銘柄です。
DPR ドンフーゴムは配当利回りが魅力的です、2020年2500VND、2019年6000VND、2018年9000VND、2017年5000VNDと連続で現金配当が続いている為、今期もコロナ前2019年並みの5000VNDぐらいの配当が期待できれば、今の株価で約8%(ニーサ枠)以上の利回りが期待可能。
MSN マサングループは普段あまり小売り業を調べることが少ない為見落としてきましたが、昨年の上昇に比べ、今期は株価の上昇に力強さを感じる為、今後良いニュースがでれば上昇スピードが加速していく予感がします。
PNJ フューニュアンジュエリーは全くフォローが不足していた銘柄でした、今回の暴落からの回復でDHCドンハイベンチェーと同じぐらいの潜在力を感じました、ワクチン接種が進みリベンジ消費が始まるまでには時間が掛かると思っておりましたが、以下のニュースと株価は私の予想を超えるものでした。
出典:VIETKABU
いつも有益な情報を発信しているVIETKABUサイトに同社の第二Qの業績に期待が持てる記事を見つけました。
出典:SBI証券
既に株価からは爆上げの息遣いが聞こえています。
それではまた、対酒当歌人生幾何。
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