こんにちは、Q太郎です。
9月6日(火)にドル円相場は1998年以来最安値となる、1ドル145円をつけました。
この国力低下を感じさせるニュースの影で、もっと衝撃的な指数に目を奪われました。
それはベトナムのビックマック指数が日本のビックマック指数を逆転した事実です。
皆さんがよく食べているマクドナルドのハンバーガーですね
この記事では連日ニュースとなる日本円の弱さから、今は海外へ投資する時期ではないのではと考えている方にとって、成長している国へ投資する場合、その限りではないことが分かります。
目 次
ベトナムのビックマック指数が日本のビックマック指数を逆転した事実
次の表は2022年ビックマック指数を高い順からランキングしたものです。
驚いたは日本の順位が、ベトナムの40位に次ぐ41位です。
出典:経済のネタ帳
ビックマック指数ってなに?
ビックマック指数とは1986年にイギリスの経済雑誌「エコノミスト」が発案した経済指標です。
ビックマックは世界中でほぼ同一品質です、しかしながら各国の原材料費や、店舗高熱費、人件費など様々な要因を基に価格が決められる為、総合的な購買力の比較に利用し易いのです。
物の価値は世界中で同じだが、何処の国でどの通貨で支払うかにより手に入る価値の量は大きく異なるんじゃ。
つまり購買力=通貨の力を表します。
特に為替を考える上では参考になります、その計算方法は以下の通りです。
ビックマック現地通貨価格÷米国でのビックマック価格(ドル)
例えば日本でビックマックが250円で、アメリカでは2ドルだとすれば、250÷2=125で1ドルは125円の価値となり、これがビックマック指数です。
しかしその時の為替相場が1ドル110円であれば、為替は円高に行き過ぎでいるためこの先円安になると予想されます。
イメージでとらえた方がビックマック指数は分かり易い
計算式では実感しづらい人はイメージでとらえることをオススメします。
例えば前述のランキング第一位のスイスに自分が行った時をイメージし、ビックマックをオーダーした際に、日本では390円なのに、925円支払わなければならない現実にどう感じますか?
390円ではスイスでは1個も買えない為、お腹がいっぱいになることはなく、貧しさを感じるはずです。
空腹=貧しさはどこの国でも同じです。
日本にいると為替の変動を実感することが少ない為、年を追うごとに貧しくなっている現実を実感しづらいのです。
海外への投資は為替のリスクが怖いと言うけれど、それって本当?
よく海外への投資は為替リスクが怖いと耳にしますが、それは本当なのでしょうか?
陽の沈む国から、陽の昇る国への投資において為替のリスクはありません。
少なくとも経済が発展している国への投資においては該当しません、今でも我が師の言葉を時々思いだします。
師曰く、「 陽の沈む国から、陽の昇る国への投資において為替のリスクはありません。 」
2000年代初頭に中国株投資をしていた時の師の教えです。
歴史が示す経済成長国の通貨が強くなる傾向
以前の記事で経済成長国への投資において為替がリスクではないことをご紹介しております。
実際にベトナムの成長が確実視された2020年以降コロナで一時的に為替(ドン/円)はドン安に振れることはあっても、その後は急激にドン高、円安にふれております。
出典:SBI証券
2021年年初の安値から現在までに約36%、円に対しドンが高くなっております。
ドルに対して強気な通貨はオススメ
通貨の強さはその国の国力や信用、そして未来への成長力を示す明確な指標です。
デフォルトの危機にあるスリランカ通貨ルピーの対ドルの価値を示したもチャートになります。
出典:Investing.com
今年は初めは1ドル200ルピーでしたが、現在は1ドル365ルピーまでルピー安が進んでおります。
アジア各国の中で健闘しているベトナム通貨ドン
ドルに対する通貨の強さでその国の経済力が分かるのであれば、ドルに対する通貨の下落率を見ればその国の未来が見えてきます。
次のチャートはドルに対する今年8月末( 対前年末比 )下落率を示したグラフです。
DXYは米ドルの総合的な強さを表す指数、米ドル指数です。
大国中国やお隣の韓国でも、これほどドルに対して通貨が下落している一方ベトナム通貨ドンは-2.64%の下落にとどまっております。
ビックマック指数の逆転は、貿易収支の逆転を示唆
ビックマック指数が購買力を表しておりますが、購買力の低下は一方では支払い力の低下も引き起こします。
日本もベトナムも輸入代金はドルで支払いますから、ドルに対して強いドンは支払い金額が少なくてすみます、一方日本は円安の為、多く支払う必要が生じます。
エネルギー輸入価格が高騰している2ヶ国の貿易収支に明確な収支逆転を生じさせています。
両国とも加工貿易国だから輸入品価格高騰に大きく影響されるんじゃ
8月17日付け日本経済新聞(電子版)では、資源高による日本の貿易収支の悪化が報じらておりました。
出典:日本経済新聞
一方ベトナムでは同じ資源高の影響を受けていながら、貿易収支の黒字化を急進させております。
出典:TRADING ECONOMICS
この差の背景には金融政策の違いが影響しております。
日銀は金融緩和継続で円安継続、一方ベトナムも金融緩和維持ですが、中央銀行は積みあがる外貨を元手にドル売り、ドン買い介入をしております。
いつも有益な情報を提供されているVIETKABUで次の記事が目にとまりました。
出典:VIETKABU
この背景にあるのは、ベトナムが通貨の管理フロート制を取っており、対ドルに対し中心レート、±3%の範囲で中央銀行により厳格に管理されている為です。
まとめ
日本円が歴史的安値、145円をつけたことにより、海外への投資に躊躇している方が多いのでは?。
しかし経済が成長性しているベトナムでは、株価は今だ回復の兆しが強くありませんが、株価低迷の同時期に通貨は力強い上昇を続けております。
次のチャートはベトナムの代表的な株価指数、VNインデックスになります。
出典:SBI証券
次のチャードはドン/円のチャートになります。
出典:SBI証券
それはついにビックマック指数で、日本とベトナムの順位が逆転する現象を引き起こしております。
米国の金融引き締めが継続され、長期金利が上昇し強いドルが継続されれば、それは言い換えると米ドルに連動性が高いドンも強含む公算です。
ドル高傾向ならば、円をドンに換えるドン転は有効ですね
従って個別株への投資はもう少し様子を見ても、日本の銀行で円で寝かせているよりドンに換えて保有するのも有効な投資だと考えます。
なぜなら、衰退する日本の通貨より、これから成長するベトナムの通貨の価値の方が増してくる未来は誰の目にも明らかだからです。
皆様の資産と笑顔が溢れることを祈っております。
それではまた、対酒当歌人生幾何。
コメント
qtaro さんの投資日記読んで勇気づけられました。忍耐あるのみですね。投資信託初心者で、株価に一喜一憂していましたが、それは無駄なことだと思えるようになりました。これからもqtaraさんの日記を読んで、精神安定を図ります。 ありがとうございます。