海運、物流株の未来は?、バルチック指数に急変の兆し。

TCL

こんにちは、Q太郎です。

昨年から大暴騰したセクターの一つに海運、物流セクターがあります。

その海運、物流セクターの先行指標となるバルチック指数に急落の兆しが現れました、はたして海運、物流株の強気相場は今後も続くのか。

難しい予想ですが、私はまだ強気相場が続くと予想しております、この記事では海運物流株の未来に興味がある方、またその未来に不安を感じている方にとって参考になれば幸いです。

私が持っているVOSベトナム海運は最高値から暴落し、今だ高値回復に至っておりませんが、ベトナム株投資の総資産額は堅調に増加しております。

ベトナム株資産総額

出典:SBI證券

前回10月10日の記事では、資産総額18,77万円でしたので、13日間で247万円資産額が増加しました。

バルチック指数の急落、その背景にあるのは中国経済の減速

海運、物流株ホルダーにとっては気になる指標が10月に入ると急速に下落

海運や物流、倉庫株の株価の先行指数になるのが、バルチック指数です。

次のチャートはバルチック指数のチャートです。

バルチック指数

出典:Bloomberg

指数は10月に入ると急落しております。

指数下落の背景は、中国の行き過ぎた石炭火力発電抑制による経済混乱

中国は国際社会に対し、「 3060目標 」を2020年9月の国連総会で表明。

2030年までにCO2排出量をピークアウトさせ、2060年までに排出量をゼロにするカーボンニュートラル実現を掲げました。

これを背景として政策的にCO2排出量の多い産業に厳しい抑制政策が実行されております。

工場

中国の電力不足、世界の供給網に長期で影響も

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が断固たる決意で石炭依存からの脱却を目指すなか、同国の工場経営者や世界各地の顧客は恒常的な電力不足に備えるよう求められている。

数カ月続く電力不足で中国東北部では住宅で停電が発生し、各地で工場への電力供給が停止している。しかし、中国の輸出品への需要が記録的に高まって、電力需要は急増を続けている。さらにこの冬の寒さが厳しいとの予測が問題を一層深刻化させている。…

出典:日本経済新聞

これは工場の電力不足による稼働の低下を招き、結果的にサプライチェーンの混乱を加速させ、バルチック指数に影響を与えていると推測されます。

驚異的な回復を見せるベトナムコンテナ輸送

7月から9月にかけてベトナム発米国行きのコンテナは急回復

コロナ感染再拡大により、社会的隔離が徹底されたベトナムでしたが、9月の米国へのコンテナ輸送量は予想以上の回復を記録しました。

デカルト・データマインド9月分

出典:LNEWS

7月から9月までの3ヶ月連続で回復したコンテナ輸送量は、コロナ禍の収束による社会的隔離終了とともに、回復ペースに拍車がかかる公算です。

このコンテナ輸送量回復の背景には、米国経済の底堅い回復があります。

米 8月の小売業売上高0.7%増 感染拡大も個人消費に底堅さ

日本経済新聞

アメリカの先月の小売業の売上高は前の月と比べて0.7%増加して市場予想を上回り、感染力の強い変異ウイルス、デルタ株の感染が拡大する中でも個人消費には底堅さがうかがえます。

アメリカ商務省が16日に発表した先月の小売業の売上高は6187億ドル、日本円で67兆円余りで、前の月と比べて0.7%増加しました。

売上高の増加は2か月ぶりで、内訳では「自動車」や「家電」が減少した一方、「ネット通販」や「食品・飲料」は増加しました。

アメリカでは先月、変異ウイルスのデルタ株の感染拡大が深刻になったことから事前の市場予測では売上高が前の月よりも減少すると見込まれていましたが、予想を上回る結果となり、個人消費には底堅さがうかがえます。

出典:NHK

コロナ禍から経済正常化に向かうアメリカと、コロナ感染再拡大に影響されたアジアの国々や電力供給のリスクにゆれる中国など、サプライの混乱は来年前半にかけて続く公算です

まだまだ続くサプライチェーンの混乱

供給サイドのアセアンン各国だけではなく、実はその荷物を受け入れる国においても、物流の混乱はいまだ収束の気配はありません。

バイデン大統領 “港を24時間態勢に” 物流停滞で緊急取り組み

バイデン大統領

アメリカのバイデン大統領は、サプライチェーン=供給網の混乱による品不足などに対応するため、西海岸の主要な港、ロサンゼルス港を24時間態勢にするよう支援するなど、物流の停滞解消に向けた緊急の取り組みを発表しました。

出典:NHK

世界最大の消費大国アメリカではコロナ禍の爪痕が深く、いまだ物流の停滞は解消されていないことがこの記事からうかがえます。

そして、労働者が職場に戻りづらくなっていることを考慮すると、停滞解消には時間が掛かることが予想されます。

コロナの次に控えるサプライチェーンの混乱要素それは「 脱炭素 」

現在各分野において脱炭素の流れが大きなうねりとなりつつあります、しかしそれは思わぬところで混乱を招く可能性を秘めております。

再エネ先行の欧州で天然ガス価格高騰 気候変動対策が裏目に

ガス価格高騰へのデモ

冬の需要期を控えた欧州で天然ガス価格が高騰し、消費者の生活や電力会社の経営を圧迫している。気候変動対策を強化する欧州諸国で脱炭素化が進む中、二酸化炭素(CO2)排出量が比較的少ない天然ガスの需要が急速に拡大。主な供給元であるロシアが天然ガスの輸出を制限しているとの疑惑も広がっており、欧州は新型コロナウイルス禍から経済を回復させる計画が狂いかねない事態に直面している。

出典:産経新聞

欧州は急速に脱炭素化を推進した結果、天然ガス価格の高騰や、風力発電の不振によりエネルギー価格高騰に悩まされていることをこの記事では報じております。

翻って物流に目を向けると、物流分野においてもその大きなうねりは既に始まっております。

川崎汽船、LNG燃料船8隻発注 CO2削減へ投資加速

LNG船

川崎汽船は21日、液化天然ガス(LNG)を燃料とする自動車運搬船8隻を発注したと発表した。2023~25年にかけて調達する予定。同社でこれまで発注したLNG燃料船は完成予定を含めて2隻。サプライチェーン(供給網)全体で二酸化炭素(CO2)排出の削減を目指す自動車大手の要求に対応するため、脱炭素投資を加速する。

出典:日本経済新聞

海運物流においても、CO2排出量の少ない船へのシフトが始まりつつありますが、それは次の2つの不安要素を抱えこむことになります。

  • LNG価格高騰のリスク  → 運賃高騰
  • LNG船への移行期にLNG船への受給が逼迫 → 運賃高騰

これらのリスクはコロナ禍で物流が停滞し、運賃高騰を招いたようなリスクが潜在しておりますが、それは逆説的には海運会社の利益拡大を予感させる公算です。

まとめ【 海運、物流株の未来について 】+おススメ銘柄

結論から申しあげますと、来年春ごろまでは海運、物流銘柄は堅調に推移していく公算です。

  • バルチック指数下落は中国の電力不足による一時的要因
  • ベトナムから米国へのコンテナ輸送量は7-9月で急速に回復
  • 脱炭素船の流れは受給タイトにより運賃高騰、結果物流銘柄は利益拡大

その海運物流株の中で以下の二銘柄の株価の動きが気になります。

  • TCL:タンカンロジティクス
  • TSM:トランシメックスサイゴン

どちらの銘柄も第三Qの結果次第では上に大きくブレイクすることを待つかのように、小幅な値動きが続いております。

TCL チャート

出典:SBI證券

TMS チャート

出典:SBI證券

そして、おススメはしませんが、気になる銘柄がVOSベトナム海運です。

それではまた、対酒当歌人生幾何。

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