HPG 3つの上昇気流に乗る

HPG

こんにちは、Q太郎です。

先日、配当金とLCGを利確した資金でTCBテクコムバンクを購入しようとしましたが、外国人枠がなく断念いたしました、そこで2番目に狙いをつけていたのが、HPGホアファットグループです。

師曰く、「 株価が高い株程よくあがる、これは株式投資の原則です。」

私自身、大型株よりもボラティティーの大きい中小型株を好むのですが、今回の購入には迷いはありませんでした。

コモディティー価格高騰を追い風に変える

私が中国株投資をしていた2000年代初頭に鉄鋼銘柄を保有しておりましたが、原料の鉄鋼石価格高騰をうけて、株価もさえない展開になった経験をしました。従ってHPGが原料価格高騰に対し、どのような手を打ち、且その成果が業績に表れるかどうかについて、注目しておりました。

次のチャートは鉄鉱石価格のチャートになります。

出典:世界経済のネタ帳

同社の原料価格高騰に対する素早い対応について、今年3月20日のブログに記事を書きました。

次の3つの経営戦略は秀逸です。

出典:VIETKABU

出典:VIETKABU

出典:VIETKABU

これらの戦略が本当に奏功し始めるのはもう少し先かとは思いますが、第一Qの業績からは原材料価格高騰にうまく対応していることが伺えます。

次の表は同社の2020年第2Qから2021年第1Qまでの業績を示した表です。

出典:VIETSTOCK

売上( Net revenue )と営業利益( Goss profit )の増加もさることながら、一株当たりの利益を示すEPSの増加に刮目します。

また、脱炭素化の流れは再生エネルギー活用を促し、そのコストはあらゆるものの価格に上乗せされます、取り分けCO2排出量が大きい電力価格への上乗せは避けられません、それを見越して電気を内製化することは、製造メーカーにとって有効な一手です。

出典:VIETKABU

このような矢継ぎばやに対策を次々打ち出すことで、コモディティー価格の上昇をむしろ追い風に変えていることが伺えます。

鋼材の供給過剰と暴落の懸念遠のく

鉄鋼の価格はその需給バランスによってその価格が決まります、ではその世界最大の粗鋼生産国はどこか、それは中国です。

次のグラフは世界の粗鋼生産推移とその構成比を示したデータです。

出典:鉄鋼連盟 世界粗鋼生産の推移

世界の粗鋼生産量の半分を占める中国の動向次第で、需給のバランスが左右されます。

その中国の粗鋼生産について、日経新聞に興味深い記事を発見しました。

出典:日経新聞

この記事は中国鉄鋼業界第2位の河鋼集団が高炉閉鎖や生産量の削減を急いでいることが報じされておりました、その背景にあるのは中央政府が掲げる2060年までにCO2排出量実質ゼロの目標が影響しております。

CO2削減は電力セクターの次に排出量が多い、鉄鋼セクターでは避けては通れません、中国鉄鋼業界最大手の中国宝武鋼鉄集団は、23年にCO2の排出量をピークアウトさせ、50年には排出量ゼロにする目標を掲げております。

世界の粗鋼生産量の約半分を占める中国が生産量を減少させれば、相対的に鋼材の受給はタイトになり、鉄鋼価格に上昇圧力が生じます。

また次の記事は粗鋼生産量世界第4位の韓国ポスコについての興味深い記事です。

出典:日経新聞

この記事では、鉄鋼生産量世界第5位のポスコがEV電池材を鉄鋼事業に代わる新たな柱に育てようとする事業構造の転換が報じされております。

この記事では背景には次のことが影響していることを報じております。

  • 台頭してきた中国メーカーとの価格競争による疲弊
  • 迫りくる脱炭素化の流れによるコストアップ
  • 崔会長の事業構成の新陳代謝の方針:売上構成比率に占める鉄鋼事業の引下げ方針

このように鉄鋼業界大手のポスコと言えど、激しい競争やビジネス環境の変化により、鉄鋼ビジネスから徐々に軸足を移しつつあることが伺えます。

これはベトナムなど新興国の鉄鋼メーカーにとって、業界内の序列を塗り替えるチャンスが巡ってきていることを示唆しております。

内需の拡大が鉄鋼ビジネスの未来を照らす

いつも有益な情報を提供されているVIET KABUサイトに興味深い記事を発見しました。

出典:VIETKABU

この記事ではフーフン証券により、不動産市場の回復インフラ整備の加速化を背景に、建設資材業界の未来が明るいことを報告されております、それは同時にHPGなど素材メーカーがその恩恵を受けることが報告されておりました。

外資による投資開発がどれだけ不安定なものかを、1997年のアジア通貨危機で学んでいる為、このような内需主導型の成長は、加工貿易 → 外貨準備の増加 → 内需の成長の健全な流れであることを示しております。

とりわけベトナムはASEAN各国の中でも内需の成長は群を抜いております。

次のデータはASEAN各国の粗鋼生産量の推移です。

出典:東南アジア鉄鋼協会

次のグラフは国内での粗鋼消費量を表したグラフになります。

出典:東南アジア鉄鋼協会

次のグラフは国民1人当たりの粗鋼消費量の伸びを示したグラフになります。

出典:東南アジア鉄鋼協会

堅調な内需の消費が、素材メーカーの未来を明るく照らしていくことが予想されます。

それではまた、対酒当歌人生幾何。

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