こんにはQ太郎です。
よく海外への投資に際して、為替のリスクを心配する人がいますが、特に新興国株投資において為替はリスクよりもメリットです。
為替はリスク?
師曰く、「 陽の沈む国から、陽の昇る国への投資に際し、為替は忘れなさい。投資をしたら全て現地通貨で考えなさい。」
邱永漢先生はこのように語っておられましたが、中国株投資を始めた2005年ごろはあまり良く意味が分かりませんでした。
陽の沈む国、これは日本を意味しております。高度経済成長、バブル崩壊を経験し、成熟化を背景とした人類初のデフレ経済に陥った老齢国家日本です。
そして陽の昇る国とは新興国( 当時は中国 )を意味し、加工貿易による外貨の積み上げが急上昇している国を意味します。
日本も高度経済成長時代は、陽の昇る国でした。それは材料を輸入して加工後に製品を出荷する加工貿易により外貨が洪水のように日本に入ってくると、国内ではその外貨を円に交換することにより、円の大洪水が発生しました。
これが80年代後半に起きるバブル経済へと繋がっていったのです。
ではなぜ新興国株投資において、為替を無視すべきなのか、それは長期的には経済が成長する国は通貨が強くなる為です。
下記は中国通貨:元と円のレートを記した表です。
出典:世界経済のネタ帳
私が新興国株( 中国株 )に投資をした2005年の中国元のレートは1元当たり13.45円でした、それから10年後の2015年に1元当たり19.44円の元高、円安になりました。(その年に中国株全て利益確定)
もう少し分かり易く表現すると、「 元高=元が強くなること 」、「 円安=円が弱くなること 」です。その成長ぶりは何と10年で44.5%も上昇しています。
例えるならば、2005年に100万円を元に変えて、10年寝かして2015年に円に戻したら約144万円になったとの計算です。( 換金手数料等考慮せず )
新興国株投資ではその国が成長する限り、為替は利益をもたらしてくれます。
また現在ベトナム株を日本の証券会社で購入した場合、下記の費用が発生します。
- 為替コスト :約4%
- 株の購入手数料 :約2.16%
- 株の売却手数料 :約2.16%
- 為替コスト :約4%
つまり例えるなら100万円を用意して、ベトナム株を購入した場合円換算で約12万円のマイナスからスタートします。これが購入当初の株が多少値上がりしても、証券会社の口座の表示がなかなかプラス損益表示にならない理由です。
これが個人投資家にとっては精神的負担が重く、開始時マイナスの重しに悩まされるのです。
邱先生が曰れていたのは、中長期で見れば為替は必ずプラスになるのだから、現時点での円換算マイナス表示に惑わされないように、現地通貨で考えなさいとの意味でした。
それではまた。対酒当歌人生幾何
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