テンバガー株、その選定ポイントと注意点

APS

こんにちは、Q太郎です。

10バガー株投資は個人投資家にとってあこがれの響きです、誰しも自分の保有する株が10倍に値上がりしてくれたら、ポートフォリオは急成長することになるでしょう。

師曰く「 100億の資産を作ることはそんなに難しいことではありません、1000万円を用意して、3回10バガー株に投資できればいいのですから、私など片手の指では収まらないぐらい経験しましたよ。」

先生のこの話を今もよく思いだします、しかし自分で実行するとなると中々難しいものがあります。

今回は私が10バガー株を見つけだす選定ポイントとその注意点について解説したいと思います。

テンバガー選定の5つのポイント

1.市場が急拡大していること

どんなビジネスでも市場が拡大していないことには売上も利益も拡大していきません、先進国に比べ新興国の経済成長が高いことをIMFの2021年4月の「 世界経済の見通し 」で報じております。

出典:IMF

その東南アジアの新興国の中でもベトナムは最も高い成長率が期待される国です、大和総研ではアジアの主要5つの新興国の成長について、以下のような見通しを報告しております。

出典:大和総研

2.時価総額が小さいこと

時価総額は株数×現在の株価で表します、この金額が大きい銘柄程、株価を押し上げる為には大量の買い注文が必要となる為、株価はあがりづらくなります。

つまり時価総額が小さい銘柄程、少ない資金流入で暴騰しやすいと言えます。

3.低位株であること

低位株とは安値に放置されている株です、但し株価が低位なのは同業他社に比べ出遅れているだけなのか、それ以外の理由があるのかその見極めが重要になります。

出遅れ感が市場で認識され資金が流入すると安値株は一気に買い上げられることがあります。

4.赤字から黒字に転換して間もないこと

特に株価の暴騰カーブが大きいのが、この赤字から黒字への転換し、業績が成長フェーズに突入したことが市場で認識された時です。

次の表はSCIエレクトロニクスカンパニーの2020年の業績と株価の推移です。

出典:VIETKABU

2019年までのは僅かな黒字を残すのがやっとでしたが、2020年に税引き後利益が爆増すると、それに伴い株価は2020年3月23日の安値から、高値では20倍弱の大暴騰をしております。

5.売り上げと利益が急成長していること

先程例にあげましたSCIエレクトロニクスカンパニーの2020年度の業績は次の通りです、売り上げ、税引き後利益、EPSが爆増していることが理解できます。

出典:VIETKABU

10バガー株投資の注意点

低位株とボロ株は紙一重

赤字から黒字に転換してもそれが継続できなければ株価はいずれ暴落します、次にご紹介するAMVベトミー医療設備は2016年に黒字転換すると株価は大暴騰し、10バガーを達成しました。

しかしその後2019年をピークに業績は低迷、それに比例するように株価の右肩さがりを描いております。

出典:VIETKABU

出典:VIETKABU

10バガー達成といえども、その後の業績により株価はチャートのような暴落曲線を描きます、従いまして常に4半期業績には目を光らせていることが必要です。

逃げ足は素早く

10バガー株はどうしても低位株、マイナー株になりますので、板が薄い商いになります、そのような板が薄い取引は一度下落傾向になると、流通量が少ない為、売りが売りを呼ぶことになり、激しい狼狽売りが行われます。

従って撤退と決めたら、多少売却価格が安くても一気に手じまいする覚悟が必要です、逃げ遅れれば必ず地獄の業火で焼かれることになるでしょう。

5つのポイントでフィルターリングしたら3銘柄がヒット

前述した10バガー株の5つのポイントでフィルターリングしたら、以下の3銘柄が候補に残りました。

  • APSアペック証券
  • EVSエベレスト証券
  • WSSウォールストリート証券

以下APSを例に挙げて説明していきます。

1.市場の拡大

ベトナム個人投資家の口座開設数は2021年も爆増が続いており、これほどわかり易い市場拡大は他にはありません。

出典:VIETKABU

2.時価総額が小さいこと

最大手SSI証券とAPSの時価総額を比較すると以下の通りです。

出典:TradingView

出典:TradimgView

APSの時価総額は証券会社最大手SSI証券の時価総額の40分の1です。

3.低位株であること

私がこの株を購入した今年2月の株価は6,600VNDあたりで、やっと株価に目覚めの兆しが現れだしたころでした、現在株価は調整局面を迎えておりますが、それでも2倍近い値上がりを見せております。

出典:VIETKABU

また株価は他の証券会社と比較にならない程低位に置かれております、次の表は証券セクターのヒートマップになります、APSは他社と比較すると米粒サイズで、探すことも難しいレベルです。

出典:Vietstock

4.赤字から黒字へ転換して間もないこと

APSは昨年漸く業績は黒字転換を成し遂げました。

出典:VIETKABU

5.売り上げと利益が急増していること

業績が黒字化しただけでなく、売り上げと利益が急増していることが理解できます。

10バガーと予想した3銘柄の現状は

4月に書いた証券会社セクターの記事で、以下の3銘柄を取り上げました。

  • アペック証券     ( APS )
  • エベレスト証券    ( EVS )
  • ウォールストリート証券( WSS )

この3銘柄は前述した5つのポイントに適合した銘柄です、中でも私が購入しなかったエベレスト証券が徐々に10バガー株の本性を現しつつあります。

出典:VIETKABU

一時は年初の株価の4倍近くまで暴騰した株価は、現在3倍を切るところまで調整されております。

この調整局面こそ絶好の買い場と考えられる根拠は、他2銘柄と比較してかなり業績に力強さが感じられます、次の表はEVSの第一Qと第二Qの業績になります。

出典:Vietstock

売り上げ、利益、そしてEPSがしっかりと伸長しております。

一方他2銘柄の株価は以下の通りです。

WSSウォールストリート証券

出典:Vietstock

今期の第一Qが赤字転落で第二Qも赤字継続であれば、大暴落もあり得ると注目された業績は以下の通り大きく持ち直しており、株価も7月の調整局面から下値を切り上げつつあります。

出典:Vietstock

一方予想に反して、第二Qの業績が振るわなかったのがAPSでした、株価もいまだ調整局面からの回復に力強さを欠いており、年初の株価の約2倍となっております。

APSアペック証券

出典:Vietstock

次の記事で注目すべきは第一Qと比較した前期比での減少率です、今回は大手証券会社と中小証券会社で、前期比で大きな差が現れました。

出典:VIETKABU

なぜこのように第一Qと比較して、第二Qが下落した銘柄が多いのか、その謎を解く記事を発見いたしました。

出典:VIETKABU

いつも有益な情報を提供しているVIETKABUで抱いた謎を解く一文を発見しました。

この記事では以下の内容が報じされておりました。

  • 2021年7月の個人投資家口座開設数が前月比約▲28%減。
  • 直近5ヶ月で最低数
  • 口座開設数減少の要因は①コロナ拡大4波による社会的隔離
  • 口座開設数減少の要因は②ホーチミン証券取引所の処理能力アップ

特に4つ目のホーチミン証券取引所の処理能力を高めたことにより、個人投資家はそれまでサブアカウントとして小型証券会社に複数の口座を所有していたが、その口座開設数が減少したことが報じされておりました。

これはAPSのような小型の証券会社の取引が減少する要因になり、第二Qの業績が振るわなかったことを示唆するものです。

SSI証券など大手証券会社の株価が年初来でまだ2倍に届かない状況であれば、10バガー株は少なくても3倍ぐらいには成長していてほしいところです、コロナ禍が収束する年後半に向けて株価の行方に注目が集まります。

それではまた、対酒当歌人生幾何。

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