こんにちは、Q太郎です。
前回のブログでベトナム株投資2021年上期の運用成績を振り返りました、そこそこの資産の増加が確認された為、その際はポートフォリオに大きな変更の必要なしと結論づけました。
しかし誰しも自分のポートフォリオは成功していると自分自身に言い聞かせながら、一方ではもっと改善すべきことがあるのでは、と自問自答を繰り返します。
私もポートフォリオに大きな変更必要なしと結論づけながら、その運用成績に対する点数は65点と及第点を大きく下回ります。
誰しもが抱えるもっと改善したいとの欲求は、ポートフォリオの銘柄組み換え行動に繋がります。
そこで今回は銘柄組み換え時のポイントについて解説します、現状に満足せずポートフォリオを少しでも改善したい個人投資家の方の悩み解決の一助になれば幸いです。
目 次
運用目的と目標を明確化して、問題点を洗い出す
そもそも投資行動を継続させ更に改善を進める為には、運用目的と目標をいつも明確化して、必ず全ての行動はこの目的と目標達成につながるものにならなければなりません。
私の投資目的は、株で儲けてブランド品を購入したり、遊興費にあてることを目的としたものではありません。
私の投資の目的は今も変わらず以下の通りです。
投資の目的
「 若者が最速で資産形成をして、お金の呪縛から解放され、自分の才能が導く夢中になれる仕事を一生懸命に取り組むことです。」その為にはベトナム株投資が有効であることを発信し続けること。
投資の目標
毎年資産額を+33%成長させていくことです、これは22歳で大学を卒業した若者が、毎月2万円を貯金して年に1度ベトナム株を購入し、毎年+33%資産を膨張させて、17年経過した38歳の時に資産総額が1億円に到達します。詳しくはトップページ「 投資目的 」をご参照ください。
目標だけにフォーカスすると細部の問題点が見えなくなる
今年の目標は今年2月末の資産額12,33万円を更に+33%増加させた1,640万円にすることです、既に7月末の時点で1428万円まで膨張しているので、今年も+33%達成は可能ではないかとの過信が、ポートフォリオの改善点を見逃す原因になります。
ポートフォリオに100点はない、必ず改善点はある
私は投資目的設定の前提条件として「 最速で 」と設定しております。
私がVHMビンホームズに昨年5月に投資をして、15ヶ月で資産額が+39%しか増えておりません、投資初心者が手堅い定石の投資先としてはこれで良いと思いますが、私がこの成績を師に報告したら、師は間違いなくこう言うと推測します。
師曰く、「 15ヶ月で含み益+39%では邱永漢流新興国成長株投資法の継承者失格です。」
一見含み益がでているからと安心するのは早計です、どれだけ最短期間で高いパフォーマンスをあげているか、私にとって「 期間 」も重要なファクターです。
出典:SBI証券
それぞれの銘柄の購入時期は次の通りです。
- ACL:2020年5月
- APS:2021年1月
- DHC:2020年12月
- HPG:2021年5月
- LCG:2020年5月
- PDR:2020年5月
- VHM:2020年5月
期間以外にも保有銘柄に何かしらの問題点を抱えております。
- ACL:チャ魚輸出先の中東、欧州の経済再開が遅れている為、業績の回復が遅い
- DHC:原料高の影響が業績に影を落とし始めている
- APS:第二Qの業績急落が他の小型証券会社の業績と比べ大きすぎる
- VHM:業績の割に上がらない株価
これらの問題点を整理しておくことが、新規組み換え優良銘柄が現れた際にどの銘柄をどのような割合で処分すべきかがスムーズに判断できます。
有望株選定の3つのポイント
マクロからミクロの視点で未来を予測
著名投資家ピーターリンチの言葉に「 バックミラーでは未来は見えない。 」との名言があります。
株は未来を買うものです、どんなにファンダメンタル分析を重ねてもそれは過去の数字の分析に過ぎません、未来を予測するのは経済全体を俯瞰し、その中でその銘柄は追い風に吹かれる位置にいるのか、それとも向かい風を受ける位置にいるのかを見極めることです。
マクロからミクロの視点で有望銘柄を選定すると以下4つの銘柄が私の目に留まりました。
HPGファアファット鉄鋼
同社の2021年の業績は絶好調です、現在のベトナムの内需と輸出がその好調を支えております、唯一の懸念は鉄鋼生産量世界一の中国が増産に動くことで、国際価格を壊してしまうことです。
しかし今年は同国では鉄鋼の生産増の可能性は低い公算です。
中国鋼鉄協会が以下の方針を発表しました。
出典:日本経済新聞
この記事では以下の内容が報じられております。
- 中国では鉄鋼価格高止まりの為、輸出より内需優先、日本、アジアの市況に影響の可能性あり。
- CO2削減の為、最大生産地河北省唐山市に生産量削減を要請、それが価格高騰の一因になっている。
もう一つ外部環境で気になる記事を見つけました。
出典:日本経済新聞
この記事ではオーストラリアで労働者不足により、鉄鉱石の生産量が減少している状況が報じられております。
このような原料産地の変化にたいして、同社は原料安定調達に向けてしっかりと手を打っております。
詳しくは過去ブログ記事 「 HPG:その経営戦略秀逸なり 」で詳しく説明しております。
そしてアメリカのインフラ投資法案が米上院を賛成69、反対30の賛成多数で可決、老朽化したインフラの更新に総額130兆円もの巨額の投資政策はベトナムの鉄鋼業輸出にも大きな影響を与える公算です。
このように、HPGを取り巻く外部環境は同社へ追い風となるものが多く、年後半の株価は更なる高騰を期待させます。
PLCペトロリメックスペトロケミカル
同社はアスファルトの販売を手掛けている会社です、私が中国株投資をしていた2000年代初頭も、アスファルト会社に投資をすることで、大きな成功を手にすることができました。
新興国で起きるどんなインフラ投資も、まずは道を作ることから始まりますので、アスファルト関連の会社は新興国株投資におけるダイヤの原石なのです。
同社の株価は2021年に入ると25,000~30,000VNDのボックス圏をから抜け出せずにいました、その背景にあるのは、OPECプラスによる原油の協調減産の枠組み維持が難航し、もし決裂した場合は各社が増産に走り、原油価格が大暴落することが懸念されておりました。
当然原油精製時の副産物として発生するアスファルトも供給過剰となり、大暴落することが懸念されました。
出典:SBI証券
それが7月中旬にOPECプラスが協調減産枠組み維持の為、UAEなど一部の国の減産枠縮小を認め、22年度まで協調減産の枠組み維持に成功しました。
出典:SankeiBis
そのニュースが市場に伝わると、株価は30,000VNDどころか僅か数日で35,000VNDをブレイクアウトしてしまい、現在上値抵線を失い青天井の気配を見せております。
PLCについは過去の記事でベトナムのモータリゼーションやコモディティー高のトレンドを踏まえ、その未来を記事にしておりますので、ご参考にしてください。
PNJフューアンジュエリー
ワクチン接種により一足先に集団免疫を獲得した国であるアメリカと中国において、リベンジ消費が爆発し高級品ブランドメーカーの株価は暴騰しております、同社についてもワクチン接種と比例して、同じ未来が期待されます。
出典:日本経済新聞
出典:日本経済新聞
ベトナムにおいてもワクチン接種と集団免疫獲得後に間違いなくこのようなトレンドが起きる公算です。
出典:日本経済新聞
この記事は2019年12月の記事です、この記事によるとIMF(国際通貨基金)などの国際機関が統計を再集計した結果、ベトナムの1人当たりのGDPが3,000ドルを超えたことが国際ニュースとして報じられました。
この翌年2020年3月からコロナ禍の感染拡大により、ベトナムでは消費らしい消費の機会が抑圧されており、国際社会から一人当たりのGDP3,000ドル超えが認められてから、この2021年が消費爆発の最初の年となる公算です。
通常1人当たりのGDPが3,000ドルを超えると消費が爆発するといわれている状況で、コロナ禍により2020年3月からずっと消費意欲を抑えて生きてきた人々の消費爆発のパワーは、物が有り余る日本人の想像を超えるものになるでしょう。
但し同銘柄はデルタ株感染拡大の状況も踏まえ、注意深く株価を追い続ける必要があります。
SHSサイゴンハノイ証券
この第二Qは証券会社でも業績の明暗が大きく分かれました、増収増益と好業績を上げた中でも、とりわけ目を奪われた銘柄はSHSサイゴンハノイ証券の粗利率の高さでした。
出典:Vietstock
EPS、PEも申し分なく、年後半も期待を抱かせる銘柄です。
その背景には、証券口座爆増の現状が否が応でも証券株への注目を集めてしまいます。
出典:VIETKABU
前述の4銘柄はマクロからミクロへ視点を絞り込むと明るい未来が見える銘柄ですが、一方でその逆もあります。
次の例は今年上期を牽引した金融セクターに暗雲を予感させる記事です。
出典:VIETKABU
この記事ではベトナム国家銀行(中央銀行)が、商業銀行に対して新型コロナの影響を受けた顧客に対し、貸付金利や手数料を下げるように指示をだしたことが報じられております。
この記事に先立ち、商業銀行が貸し倒れ引き当て金の積み増している記事も気になりました、どちらも銀行株にとって収益を圧迫するニュースの為、年後半は上期程銀行セクターに勢いがなくなる懸念があります。
ファンダメンタルの確認( 上期の業績推移を確認 )
ここまでは銘柄を取り巻く経済環境から未来を予測することの重要性について説明しました、しかしどんな予想も数字に裏付けされない予想は絵空事になります。
ファンダメンタル分析で最重要3つのポイント
- 売上高と粗利益の増加:基本中の基本、これが拡大しなければ未来に希望はありません。
- PEは業界水準以下 :業界水準と比べできる限り低いものが望ましい。
- 最重要項目EPS :1株当たりの利益です、利益が伸びているのに増資を繰返している銘柄はEPSが増えない為、株価上昇が期待できません。
業界をリードするHPGのような値がさ株は既に高値にある場合がほとんどです、しかし1歩踏み込んで現在の株価が割高かどうかを図る手法があります、「 投資手法GARP 」については、過去の記事で詳しく解説しておりますので、参考にしてください。
チャートの動きから爆上げの呼吸が聞こえるか?
私は以前先生にチャートの動きから暴騰の時期を見極める方法を尋ねたら、以下のアドバイスをいただきました。
師曰く、「 奥さんの顔を見る以上に毎日チャートを確認しなさい、長年連れ添う奥さんの顔であれば、今が機嫌がいいときかは直ぐに判断ができると思います、株価もそれと同じです。」
結婚から10年以上が過ぎて、漸く妻の機嫌がわかるようになってきました、その為には長い時間と経験が必要となります。
典型的な例を挙げれば、先程のPLCの株価のチャートなどが該当します、2021年第一Qの業績が良いのにBOX圏を抜け出せない、それがBOX圏を上にブレイクした瞬間が該当します。
1にも2にも業績がしっかりしているのに株価が乖離している銘柄が、下値を切り上げてきた時が爆上げの呼吸の始まりと呼べるでしょう。
株の組み換え時、2つの注意点(売りは躊躇なく、買いは慎重に)
売ると決めたら躊躇なく
保有銘柄を売却するのは誰しも心理的抵抗があります、特に含み損を抱えている場合など、売却することで損が確定してしまいます。
しかし、長年投資を経験するとダメな銘柄を保有し続けることは、機会損失を被っていることと同じことだと理解できるようになります。
そこで売ると決めたら躊躇なく、最速で売却することです。
株の売却は恋愛の別れ話と似ている部分があります、現状とお別れしない理由を探せばいくらでもその理由は見つかるのですが、株式投資も恋愛も未来に希望の光があるのかどうかが判断基準です。
光が見えないのならば、最速でお別れすべきなのです。
私は今回新規銘柄を購入する為に、次の名銘柄について、それぞれ部分的に利確しました、その金額と理由は以下の通りです。
- APS:約50万円分:理由は第二Qの結果から急速にリスクが高くなった為。
- ACL:約20万円分:主要輸出先の中東、欧州の経済回復の遅れ。
- DHC:約40万円分:原料高の影響が現れつつある為。
自分の投資判断に影響を与えるファンドの動きを見逃すな
先日銘柄組み変えを検討していると、ある有名なファンドの記事が目に留まりました。
出典:VIETKABU
中国株投資をしていた時代から、株価に動きがあるとき必ずKKRの影があったこと記憶していた為、この記事を見た翌日にはVHM保有株数の97%売却しました。
前述した通り株価上昇のスピードが遅い為、躊躇なく決断しました。
株の購入は焦らずしっかり納得した上で決断
株の売却は迷いが生じる前に決断しますが、購入は前述した有望銘柄を探す3つのポイントについて確認したうえで納得して購入しましょう。
ACL、APS、DHCの3銘柄売却で購入を決めていた銘柄は、NTLトゥリエム都市開発です。
同銘柄については、特に今年の一般NISA枠銘柄として120万円分を購入しました、この銘柄は特に配当金が高く、NISAとの相性が良い為でした。
またファンダメンタルも良好でいつ暴騰してもおかしくないと感じていた昨今、株価の動きに暴騰の呼吸が聞こえてきており、購入に迷いはありませんでした。
同銘柄については過去の記事で詳しく書いておりますので、ご参考にしてください。
一方売却したVHMを売却して得た資金で購入する銘柄はこれからじっくり第二Qの結果を確認しながら新規購入銘柄を選定していく予定です。
まとめ
ポートフォリを少しでも改善したい方は下記の項目を参考に、もう一度ポートフォリオを見直しましょう。
- 運用目的と目標を明確化して、現状の問題点を洗い出す。
- 有望株選定3つのポイントを忘れないこと。
- 株の入れ替え時、2つの注意点を忘れないこと。
それではまた、対酒当歌人生幾何。
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